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全体性




ゲシュタルト療法の創始者フレデリック・パールズ(1893-1970)は、有名な神経精神科医であったカート・ゴールドシュタイン博士からゲシュタルト心理学を学び、大きな影響を受けました。当初パールズは自らの心理療法の手法を「集中療法」と呼んでいました。それを「ゲシュタルト療法」に変更したのには、妻であり、ゲシュタルト心理学者であったローラ・パールズの影響が大きかったと言われています。

 パールズは、「人間は、本来、パターンもしくは全体へとまとまる傾向があり、またそのようなこととして一人ひとりに経験されるものであり、そしてすべてはパターンもしくは全体の機能という観点からみるときに、初めて正しく理解され得る」という仮説を立てました。

たとえば、下の図は、丸や三角、四角などの図形の集まりに見えると思います。





しかし、下の図のように並べ替えてみると、単なる図形の集まりではなく「顔」のようなものが見えてきませんか?一つひとつのオブジェクトに着目することもできるものの、一つの意味ある全体を”認識してしまう”のではないでしょうか?



このように、人間には物事を「意味ある一つのまとまった全体像」として認識する傾向があり、それはもはや部分(図形)の総和以上の意味(顔)を持ってしまうのです。


このことが、ゲシュタルト療法にとって重要な意味を持ち、ゲシュタルト療法の様々なテクニックの原理となっているのです。



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