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『現象学入門 -心理療法の本質に迫るには』

ゲシュタルト療法は、ゲシュタルト心理学や精神分析をベースに発展した人間性心理学の一つです。その理論的背景は哲学や思想など多岐にわたりますが、中でも現象学はゲシュタルト療法の実践手法として重要な位置を占めています。


ゲシュタルト療法における現象学の重要性

ゲシュタルトのワークでは、"エポケー"(判断停止)という概念が重視されています。しかし、エポケーの先には「本質観取」というプロセスがあります。これこそが、ファシリテーターとクライエントとの間における本当の「我と汝」の対話を実現するための重要なステップです。


記念講演会のご案内

日本ゲシュタルト療法学会では、本年度、『ゲシュタルト療法~歴史・理論・実践(仮)』(原題:Gestalt Therapy - History, Theory and Practice )を出版いたします。出版を記念して、7月に以下の出版記念イベントを開催します。

イベントでは、翻訳者の方々に、本書の読みどころや、翻訳プロジェクトの歴史や裏話などを紹介していただきます。さらに、本書での大きなトピックの一つでもある現象学をより深く理解するために、日本の現象学の第一人者である西研先生をお招きし、難解と思われがちな現象学を、具体的で平易な言葉で解説していただきます。

この機会に、ゲシュタルト療法の理論的基盤である現象学をしっかりと理解し、実践に活かすヒントを得てみませんか?


記念講演 『現象学入門 --心理療法の本質に迫るには』

講師:西研(にし けん)先生

講演内容:

西先生は、現象学を「互いの体験を交換しながら、それらの本質(エッセンス、共通する核心)を言語化していくための技法」と定義されています。講演では、ゲシュタルト療法テキストにおける現象学の扱いから始まり、感情や幸福の本質を探る実例を交えながら、現象学の「共通本質を取り出し・検証する技法」としての性格を解説していただきます。


さらに、「心理療法の本質」についても触れていただく予定です。この講演を通じて、ゲシュタルト療法と現象学の関係についての理解を深める貴重な機会となるでしょう。


以下は西先生のメッセージです。

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現象学は、ゲシュタルト療法の基礎をなすものとされていますが、フッサールやハイデガーのテキストはきわめて読みにくく、「なんだかよくわからないなあ」とお感じになっている方も多いと思います。  

現象学とは何か。それは、互いの体験を交換しながら、それらの本質(エッセンス、共通する核心)を言語化していくための技法です。たとえば、恐怖や不安のような感情の本質や、幸福や自由といった概念の本質なども、現象学の射程に入ってきます。  

臨床家の方々の場合には、互いの臨床体験を交換してその本質を蓄積していく方法として活用できると思います。たとえば、そもそも心理療法とは「何を」するものなのか、「治る」とは何か。そこでは「何が」起こっているのか。それらを明確にして共有していくことも、現象学の方法によって可能だと考えます。  

当日は、現象学が「ゲシュタルト療法テキスト」でどのように扱われているか、というところからスタートして、現象学の「共通本質を取り出し・検証する技法」としての性格を、感情や幸福の本質をどうやって得るかの実例を挙げつつお話します。「心理療法の本質」については、私の友人の山竹伸二氏が展開していますが、これについても最後にふれたいと思います。

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プロフィール: 西 研(にし けん) 哲学者・東京医科大学客員教授(人間学教室) 1957年鹿児島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、社会哲学・現象学。京都精華大学助教授、和光大学教授、東京医科大学教授(哲学教室)を経て現職。教育出版小学校国語教科書『広がる言葉』編集委員。 哲学を、一人ひとりが自分と世界との関係を深く考えるための技術として再生することをめざし、現象学を活かした哲学のワークショップを大学、カルチャーセンター、企業研修、司法研修所などで行ってきた。NHKEテレ「100分de名著」では、カント、ルソー、ニーチェの回などに出演。 主な著書に、『哲学は対話する--プラトン、フッサールの〈共通了解〉をつくる方法』(筑摩選書)、『まなびのきほん しあわせの哲学』『読書の学校 プラトン「ソクラテスの弁明」』『100分de名著ブックス カント「純粋理性批判」』『同ブックス ルソー「エミール」』『同ブックス ニーチェ「ツァラトゥストラ」』(以上NHK出版)、『哲学のモノサシ 考えるってどんなこと?』『ヘーゲル 自由と普遍性の哲学』『哲学の練習問題』『集中講義 これが哲学!』(以上河出文庫)ほか多数。


出版記念イベントの詳細はこちらをご覧ください。





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