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ゲシュタルトとは?





ゲシュタルト療法の「ゲシュタルト」という言葉は、ゲシュタルト心理学から取り入れられたものです。ゲシュタルト心理学は、19世紀後半、ドイツとオーストリアで生まれた心理学です。その頃の主流は人間の心を細分化して解析することで原理を理解しようとする実験心理学を中心とした還元主義でした。ゲシュタルト心理学はその流れに対するアンチ・テーゼとして創始されたものです。

「ゲシュタルト」は「形態」を意味するドイツ語です。特に「個々の部分がまとまって構成するひとつの形」や「全体性」を意味することもあります。サージ・ジンジャー(1995)は、「ゲシュタルト」の動詞形「ゲシュタルテン」は「形成する、意味ある構造を与える」という意味であることから、「ゲシュタルト」とは「きちんとした意味のある構造を備えた形態」を意味していると述べています。この言葉はウィーンの心理学者・哲学者であるグラフ・クリスチャン・フォン・エーレンフェルス(1859-1932)が使い始めたもので、彼は「ゲシュタルト」を「感覚要素の総和以上のもの、総和とはことなるもの」と定義しました。

その考えをゲシュタルト心理学ベルリン学派が発展させ、「全体は部分に先立つ。そして、ゲシュタルトの形成は、有機体の機能および、均衡の回復という終結/充足に向かう個の活動の、根源的な特質である」と定義しています。

また、「ゲシュタルト」という言葉を最初に使ったのが、現象学の哲学者であるフッサール(1859-1938)であったという説もあります。早坂泰次郎(1991)は、「ゲシュタルトという心理的概念の真の理論的創始者はフッサールその人なのである」と述べています。

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